こんにちは。広島県にある犬の車いすオーダーメイド【ツトメギワークス】です。
ブログ投稿はかなり間が空きましたが、今回お伝えするのはちょうど1年ほど前にご依頼を受けていたワンちゃんの事。
なぜご紹介までに1年も間が空いたかというと、今回はいつもご依頼を受けている子達とは違い、ツトメギワークスでも初めてのご依頼内容だった事。
そして、団体さんに保護された保護犬だったからです。
さらに保護時は、酷い外傷と骨折で神経のダメージが深刻だったため大きな手術が行われました。
その結果、両後肢を切断。
左前肢の斜骨折は創外固定治療が行われました。
保護時は推定7か月、MIX犬のニシキ君(♂)。
2019年10月末。
ご依頼主は、治療を担当された広島県福山市にある「あそう動物病院」さん。
保護犬のため今後の里親募集などのことも心配だと、なんと院長の麻生先生が車椅子をプレゼントしてあげたい!
ということで、うちにご依頼があったのがニシキとの最初の出会いです。
肢を無くしたワンちゃんへのオーダーは未経験だったので不安はありましが、そういうことであれば!と麻生先生の心意気に賛同する形でお受けしたのです。
通常、犬の車椅子は八の字状のリングの輪っかに両後肢を降ろし入れることで股に引っ掛かりができ、その引っかかった部分で車体を引っ張りながらコントロールするという使い方です。
しかし、ニシキの場合は切断位置が両後肢とも足の付け根近くであったため、引っ掛かかる部分が無く少しでも動くと車体から体が抜けてしまう状態。
ネットなどでは車椅子を利用している後肢がない子の情報があったため、事前の段階では私も何とか対応できるだろうと思っていたのですが・・・。
このケースを想定していなくて、どうしたものかと悩みました。(;^ω^)
しかも保護される前どんな生活をしていたのか分からないけど、大きな音や初めての人や物に対しての警戒心も強く怯えた様子。
私が体に触れられる様になるまでにも大変時間がかかりました。
しかし、担当の看護師さんとやり取りしながら何度も訪問と試作と試乗を繰り返し、ニシキも少しづつ慣れ始めてくれてなんとか現状での最善の状態のオリジナル車をご提供できました。
後肢は無く前肢は骨折の影響で左右の荷重のバランスが偏っていて、当初はニシキにとっても車椅子自体をコントロールするのはとっても大変だったと思います。
でも、ここまでこれたのはまだ1歳にも満たない若さと本人の意欲、そしてクリニックのスタッフの皆さんの温かいサポートのお陰だと思います。
●2019/11 初めての乗車時
●2020/2 随分上手になりました!
院内を自由に行ったり来たり!
方向転換もお手のものに!
なんと言っても最初と比べると表情が全然違いますよね(^-^)
こうして数か月をあそう動物病院にて過ごしたニシキもいよいよ保護団体さんに戻ることに。
これまで行動範囲が室内だったため、大きな音を怖がるニシキが新しい環境で車椅子の練習と利用がどこまでできるのか心配しましたが、団体の担当者さんもとっても良くしてくださり、坂道でもなかなかのスピードで車椅子生活を楽しんで貰えるほどになりました(^-^)。
そして今年9月。
なんと新しい家族になられたという里親さんからご連絡が来たのです!!
家族の一員になったニシキは【セラ】という新しい名前を貰っていました。
ご連絡と一緒に送ってくださった動画には、
セラが飼い主さんと一緒にシッポをブンブンしながら悠々とお散歩していました。
本当に良かった( ;∀;)
こちらは、飼い主さんからのメッセージ。
本当に本当に良かった( ;∀;)
ご連絡いただけて、もう何とも言い表しがたい感動と喜びでウルウルしてしまいました。
最初ご相談を受けた時、
試行錯誤の最中、
上手く乗りこなせない時、
退院時。
その都度その都度ブログ投稿を考えましたが、
私の我儘ですが、どうしてもニシキに新しい家族が出来てからご紹介したかったのです。
なので気づけば1年越しの「ニシキ改めセラ」ストーリーになりましたが、
今こうして幸せそうなセラくんをご紹介出来ていることが本当に奇跡のような気がします。
それぞれの【WithDogライフ】がありますが、
1つとして同じストーリーはない。
その中で、このように車椅子で日々のハッピーをサポートできた事が心から嬉しいです。
家族としてワンちゃんと過ごしている皆さんの【WithDogライフ】もハッピーでありますように。
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犬の車いすオーダーメイド
【ツトメギワークス】
ツトメギ人(製作者):武田由香里
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